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「歯並びを広げる治療、本当に安全ですか?」 〜見落とされがちな“骨への負担”とは〜

2026.05.19 | ブログ

最近では、子どもの床拡大装置やマウスピース矯正によって、「歯を抜かずに並べる治療」が増えています。

もちろん、顎を広げて歯がきれいに並ぶことは大きなメリットですが、一方で注意しなければならない点もあります。

実は、歯列を横に広げる治療では、「骨そのもの」が大きく広がっているだけではなく、歯が外側へ傾きながら並んでいる場合があります。

特に、

・もともと骨が薄い方
・無理に非抜歯で並べるケース
・大きく歯列を広げるケース

では、歯の根が骨の外側方向へ移動し、

・歯を支える骨が薄くなる
・歯肉が下がる(歯肉退縮)
・歯根が骨から一部外れる(骨裂開・開窓)

といったリスクが報告されています。

近年ではCT(CBCT)を用いた研究で、拡大治療後に頬側の骨が薄くなるケースがあることも分かってきています。

これは床拡大装置だけでなく、マウスピース矯正でも同様です。

デジタル上ではきれいに歯が並んで見えても、実際には「骨の限界」を超えてしまう場合があるため、単に歯並びだけを見るのではなく、

・骨の厚み
・歯根の位置
・歯肉の状態
・長期的な安定性

まで考えた診断がとても重要になります。

矯正治療は、「今並べること」がゴールではありません。

10年後、20年後も健康な骨と歯肉の中で安定して機能できることが、本当の意味で大切だと考えています。